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恥骨結合の調整

恥骨結合と仙腸関節
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 名古屋市北区の骨盤調整・整体院 ふるさわ指圧治療院です。

 本日は恥骨結合を調整するセルフ整体についてご紹介いたします。

目次

恥骨結合とは?

恥骨結合と仙腸関節
恥骨結合と仙腸関節

 恥骨結合とは、骨盤の前下方にある左右の恥骨をつなぐ関節で、弾力性のある軟骨を介して連結されています。恥骨結合は下腹部に位置し、へそから指を十数センチ下にスライドしていくと突き当たる部分です。書籍では「関節としての可動性はほとんどない」とされていますが、実際触りながらいろんな動きをしてみると、よく動くことがわかります。

 骨盤には計3カ所の関節があります。恥骨結合の他には、骨盤の上後方にある左右一対の仙腸関節があります。仙腸関節とは、仙骨と寛骨をつなぐ関節です。(上の写真参照)

 仙腸関節と恥骨結合のズレが少なく、柔軟に動いてくれる状態が理想的です。しかしながら、重力や偏った運動、偏った姿勢、出産などにより、これらの関節はズレて癒着してしまいます。これらの関節のズレは骨盤の歪みとなり、それに伴って上に乗っている脊柱を歪めてしまい、さまざまな体の不調を引き起こしてしまいます。

 恥骨結合がズレて癒着してしまうと、仙腸関節にも悪影響を及ぼします。骨盤の歪みをより精度高く整えるには、仙腸関節だけにアプローチする骨盤調整では限界があり、恥骨結合を含めた3カ所の関節にしっかりとアプローチをする必要があります。

恥骨結合の調整方法

 恥骨結合の調整は、上下、左右、前後方向に分けて行います。最後に恥骨と尾骨の距離を広げる調整をします。

恥骨結合の上下方向のズレ調整

恥骨結合の上下方向の調整
恥骨結合の上下方向の調整

 恥骨結合の上下方向の調整は、上記の矢印のように動かすことで行います。

恥骨結合上下方向の調整
恥骨結合の上下方向の調整
かかとの適切なスライド量
かかとの適切なスライド量
  1. 仰向けに寝ます。
  2. 左かかとを2~3cm頭方向に上げます。
    膝は伸ばしたまま行います。
  3. 逆に右かかとを2~3cm頭方向に上げます。
  4. 左右交互にリズミカルに10往復行います。
POINT
  • 膝は曲げず、伸ばしたまま行います。
  • 左右で上がりにくい方を強めに行います。
  • 恥骨結合に意識を集中して、上下方向のズレを整えるイメージを持って行って下さい。
  • 恥骨結合に手を添えて、ちゃんと動いていることを確認しながら行ってください。
  • 張り切って上げ過ぎない事。2~3cmぐらいが適切です。

恥骨結合の左右方向のズレ調整

恥骨結合の左右方向の調整
恥骨結合の左右方向の調整

 恥骨結合の左右方向の調整は、上記の矢印のように動かすことで行います。つま先をワイパーのように動かすことから、この運動を「ワイパー」と名付けました。つま先を倒して力を入れることで、下肢から骨盤に力が伝わり、恥骨結合の左右方向のズレを整えることができます。
 ※股関節亜脱臼もしくは股関節痛のある方は、ごく軽めに留めてください。もし痛みが出るようでしたら、この運動は飛ばしてください。

少し足を開いて仰向けに寝る
少し足を開いて仰向けに寝る
恥骨結合の左右方向の調整
恥骨結合の左右方向の調整
  1. 軽く足を開いて、仰向けに寝ます。
  2. 車のワイパーのように、つま先を左に倒して力を入れます。この時、左のお尻の下の部分(坐骨)から太ももにかけて床に押し付けるように力を入れます。このまま3秒間キープしましょう。
  3. つま先を逆に倒し、右側も同様に行います。
  4. 左右交互に5往復行います。
POINT
  • 左右で行きにくい方向に強く力を入れてください。
  • 恥骨結合に意識を集中して、左右方向のズレを整えるイメージを持って行って下さい。
  • 恥骨結合の左右方向のズレが大きいと、片側のお尻の下部(坐骨)が浮いてしまいます。浮いている側を床に押し付けるときに骨盤がジワーっとたわみますので、このたわみを感じ取ってください。骨盤の歪みが整ってくると、このたわみは徐々に少なくなり、左右均等になっていきます。(下図参照)
  • この運動は、恥骨結合の調整だけでなく、股関節のひねりの調整にもなります。
正常な骨盤と坐骨前方変位した骨盤
正常な骨盤(左)と坐骨前方変位した骨盤(右)

 上の図は、仙骨を基準として、右側寛骨の相対位置を図示したものです。右側寛骨が仙骨基準で矢印のように旋回すると、右坐骨は前方変位をします。そうすると床との隙間が大きくなり、右坐骨が浮いたように感じます。また右坐骨が前方変位すると、恥骨結合は左側寄りにシフトします。

 右坐骨を床にグッと押し付けることで、右坐骨の前方変位が調整され、左右均等になっていきます。それに伴って、左側に寄っていた恥骨結合が中央に戻っていきます。

恥骨結合の前後方向のズレ調整

恥骨結合の前後方向の調整
恥骨結合の前後方向の調整

 恥骨結合の前後方向の調整は、片方の恥骨を上記の赤矢印のように動かすことで調整します。

恥骨結合の前後方向の調整
恥骨結合の前後方向の調整
  1. 右足を一歩前に出します。
  2. 骨盤を前方に押し出し、重心を前に移動させます。この時、左の恥骨が後方に引っ張られるのを感じ取ってください。このまま3秒間キープします。
  3. 逆に左足を一歩前に出し、右の恥骨も同様に行います。
POINT
  • 左右で固い方向に強く力を入れてください。
  • 恥骨結合に意識を集中して、前後方向のズレを整えるイメージを持って行って下さい。
  • 恥骨結合に手を添えて、動きを感じ取りながら行いましょう。

恥骨と尾骨間の距離を広げる

恥骨と尾骨の距離を広げる
恥骨と尾骨の距離を広げる

 恥骨と尾骨の距離を広げる調整は、上記の矢印のように尾骨を後方に動かすことで行います。これまでに行ってきた恥骨結合の調整により、恥骨と尾骨の距離が狭くなった分を元に戻します。

恥骨と尾骨の距離を広げる
恥骨と尾骨の距離を広げる
  1. 軽く足を広げて立ち、上半身を90度前に曲げます。
  2. ここから尾骨だけを後方に押し出すように力を入れます。
POINT
  • 恥骨結合に手を添えて、動きを感じ取りながら行いましょう。
  • 尾骨を後方に押し出す時、抵抗を感じて止まったポイントから、さらにひと押しします。この抵抗を感じないまま行うと、効き目が無くなってしまいます。
  • 回数は、さっと一回で十分です。長くやるものではありません。

まとめ

 仙腸関節を横綱とすれば、恥骨結合は大関と言えるぐらい重要な存在です。骨盤の歪みを整えるのに、恥骨結合は仙腸関節と共に重要なカギを握っています。恥骨結合も仙腸関節も日々ズレていきますので、毎日実践していただくことで、骨盤を良い状態にキープしましょう。

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