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膝の痛み

 名古屋市北区の骨盤調整・整体院 ふるさわ指圧治療院です。

 膝の痛みは主に骨盤下部が開くことで脚がハの字になり、膝関節が片当たりすることで発症します。膝の痛みがさらに進行すれば、変形性膝関節症になってしまいます。膝の痛みを根本から改善するには、骨盤調整によって骨盤下部を閉じることが重要であり、結果としてO脚矯正にもつながります。将来進行して歩行困難にならないためにも、軽度の早い段階から対策をしましょう。

目次

膝の痛みの特徴

膝関節の構造

右膝(前面)
右膝(後面)
右膝(上面)

 半月板は内側と外側に一対あり、衝撃吸収をするクッションの役割や大腿骨と脛骨の接触面の形状を適合させるためのアダプターの役割があります。膝関節は、前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯によって連結、補強されていて、前十字靭帯と後十字靭帯は前後方向の規制を、内側側副靭帯と外側側副靭帯は横方向の規制をしています。大腿骨と脛骨の接触面には軟骨があり、滑らかな運動を可能にしています。図示していませんが、前面には膝蓋骨があり、大腿四頭筋と膝蓋靭帯を連結しています。

膝の痛みの原因

 膝の痛みの多くは、年齢を重ねるごとに骨盤下部が開いて、O脚になることが原因となって発症します。

正常な脚とO脚の比較図

膝の痛みの進行過程

  1. 仙腸関節がズレて骨盤の下部が開く。(坐骨の距離が広がる。)足がハの字に開くため足を閉じにくくなる。スリムフィットジーンズを履くと股の下部に隙間ができる。大転子(足の付け根)が外に張り出し、お尻の下部の横幅が広がる。(骨盤が四角形に近づく。)
  2. ハの字になった足を軌道修正するためO脚になる。これにより膝は内々で当たるようになる。また足首は内反し、癒着して固まることで踏ん張っている。靴は外々の減りが激しくなる。仙腸関節がズレて癒着して固まると、代償として膝と足首のへの負担が増加し、悲鳴をあげています。
  3. これ以上O脚が進行しないように膝関節周辺の筋肉が固まり、膝の痛みを生じる。周辺の血流やリンパの流れが阻害され、むくみを生じる。可動域が狭くなり曲がりにくくなる。

 一方で比較的少数派ですが、生まれつきのデフォルトの骨格がX脚気味の方は、上からの重力がかかることでさらに角度がつき、X脚が進行して膝の痛みを発症します。X脚の場合は、膝関節の外々が片当たりするようになり、進行すれば変形性膝関節症になります。

変形性膝関節症の特徴

正常な膝関節と変形性膝関節症

 上記からさらに進行すると、変形性膝関節症になります。膝関節が片当たりすると荷重が一点に集中するため、軟骨が急激に摩耗しボロボロとなり剥がれた関節内遊離体(関節ねずみ)が滑膜を刺激し、滑膜炎を起こして膝痛を発症します。関節液が貯留し腫脹します。 可動域が減少して曲げ伸ばしがしにくくなり、正座が出来なくなったり階段の昇降が辛くなります。次第に軟骨がすり減って骨と骨が直接当たるようになり、神経を刺激し強い痛みを発症します。骨がすり減って接触面が破壊され変形したり、骨硬化が進み骨棘(骨のトゲ)が形成されます。

  • 初期は動作開始時に痛むが、徐々に動作中にも痛むようになります。
  • 男性よりも女性に多い。(特に肥満女性)
  • 日本では内側型(O脚)が多い。
  • 60歳代女性の約半数が、80歳以上の女性の80%以上が変形性膝関節症になっています。

変形性膝関節症の進行過程

 次に変形性膝関節症の進行過程をレントゲンのイラストでみていきましょう。

正常な膝関節

 正常な膝関節ではすきまが広く、軟骨の厚みが十分に残っている。

中度の変形性膝関節症

 すきまがやや狭くなり、軟骨の消耗がみられる。骨が変形し骨棘が形成される。

重度の変形性膝関節症

 すきまが無くなり軟骨が激しく消耗し、骨と骨が接触している。接触部分に骨硬化がみられる。

膝の痛みを改善するには

骨盤の下部を閉じる

 膝の痛みは元をたどれば仙腸関節がズレて、骨盤の下部が開いたことが原因です。骨盤調整により骨盤の下部を閉じることが一番重要なポイントです。仙腸関節がロックしていたときは、地面の凸凹に対して股関節と膝と足首で吸収していました。仙腸関節のズレを整え癒着が取れると、柔軟に動くようになり、地面の凸凹に対して仙腸関節でも吸収できるようになります。それにより膝の負担が軽減し、痛みも軽減します。

 骨盤の下部が閉じてO脚が矯正されると、膝関節は全体的に当たるようになり、軟骨の摩耗スピードが遅くなります。 膝痛改善が目的だったとしても、結果的にO脚矯正にもなります。固まって守る必要が無くなるため、筋肉がほぐれてきます。血液やリンパの流れが回復し、むくみが減少します。それに伴い足首の内反も改善され、靴の減りも均等になります。足首の負担が軽減するため足首の固さが軽減します。

 特に女性にとってはO脚は悩みの種であり、スラッとした美脚への憧れは強いのではないでしょうか?しかし見た目だけの問題ではなく、膝への負担が大きくなることが問題です。 膝痛だからといって、痛みのある部分だけに集中していては根本解決に至りません。大元である骨盤から整える必要があります。

膝関節の片当たりを減らす

片当たりの膝関節と全面当たりの膝関節のたとえ

 左図において、①先端のとがった釘 と、②先端の平らな釘を、同じ力でハンマーで叩くとします。どちらが早く釘を沈めることができるでしょうか?

  考えるまでもなく①の先端のとがった釘とわかります。先端の面積が小さいほど抵抗が少なく打ち込むことが出来ます。これを膝に置き換えると、O脚が進行し内々で片当たりするようになると、接触面積が減少するため消耗が激しくなってしまいます。いかに片当たりが悪影響を与えているかがわかります。消耗を遅らせるには、出来る限り膝関節の片当たりを減らし、なるべく接触面積を広くすることが重要です。

まとめ

 人生50年と言われていた頃は、膝痛は少なかったかもしれません。人間の寿命>膝軟骨の寿命 となり、消耗品である膝関節に問題が出て膝痛患者が増える要因になりました。寿命が延びた分軟骨の寿命も伸ばさなければなりません。それには均等に当たるようにして、消耗スピードを遅らせることが重要です。膝は体の下部にある分、体重の大部分を支える役目を担っています。大きな荷重がかかりながら、尚且つ走ったり飛んだり曲げたり伸ばしたりします。よって軟骨の消耗スピードは他に比べて速いのです。

 膝の痛みによって行動範囲は狭まり、歩くことを避けるようになります。それにより運動量が減少することで体重増加につながり、負担が増加します。その結果膝の痛みが悪化という負のサイクルになります。単純に体重が減れば負担も減り痛みの軽減につながります。予防のために過度な肥満にならないよう自己管理が求められます。

膝痛 負のサイクル

 人間が産み出す機械で、80年間部品交換無く稼働し続けられるものはありません。人間の体がいかに優れているかがわかります。軟骨には血管が無いため再生しません。またすり減ったからといって、人間の体のパーツは機械部品のように簡単に交換できません。すり減ってしまったなら、その悪条件の中での最善を目指すしかありません。もし変形性膝関節症になってしまってからでも、骨盤を整えて膝関節が均等に当たるようになれば、痛みは緩和されます。80歳になっても痛みなく歩けるように、若い頃から対策をすることが大切です。

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