名古屋市守山区を拠点として出張専門で骨盤調整を行っている ふるさわ指圧治療院です。
腰痛をはじめ、膝痛、股関節痛、肩や首の痛み、自律神経失調症など、さまざまな体の不調を治療していく上で骨盤調整は欠かせません。ここでは骨盤調整について詳しくご説明いたします。最後にご自宅でできる恥骨結合の調整についてご紹介いたします。
当院の骨盤調整
骨盤調整とは、簡単に言えば骨盤の歪みを整える手技です。もう少し詳しく言えば、骨盤の仙腸関節と恥骨結合のずれを整える手技です。仙腸関節とは、骨盤の左右一対の寛骨と中央の仙骨をつなぐ関節です。恥骨結合とは、骨盤の前下方にある左右の寛骨をつなぐ関節です。

当院では、足技の骨盤調整と手技の骨盤調整の2種類を使い分けています。
足技の骨盤調整
足技の骨盤調整は、足を使って仙腸関節のずれを調整します。この足技の骨盤調整は、私が弟子入り修行をした自然良能会で習得しました。

- 主に骨盤の仙腸関節の垂直方向のずれの調整に効果的である。
- 自然良能会は50年以上の歴史あり、伝統のある手技である。
- 自然良能会の創業者であり前会長である故 五味雅吉先生によって開発された。
この足技の骨盤調整は、今から50年以上前に、自然良能会の故 五味雅吉先生によって開発されました。ある日のこと、五味雅吉先生自身が腰痛を発症した時に、何気なく友達にお尻の上に乗ってもらって踏んでもらっていたところ、偶然にもポキッと矯正音がなり、それによってすっかりと腰痛が治ってしまったそうです。それがきっかけとなって、腰痛と仙腸関節に因果関係があることを発見し、後に骨盤調整法が生まれました。当時仙腸関節の重要性を唱える人がいなかった時代に、いち早くその重要性に着目し、骨盤調整法を生み出した功績は計り知れません。
手技の骨盤調整
手技の骨盤調整は、手を使って骨盤の仙腸関節のずれを調整します。関節包内矯正という手技を参考にして、仙腸関節のロック解除に留まらず、骨盤の歪みを3次元的にしっかりと調整することに重点を置いて独自に発展させました。これにより骨盤の坐骨の開きや骨盤のひねりなどを、精密に調整することが可能になりました。

- 主に骨盤のひねりや坐骨の開きなどの調整に効果的である。
- 精密な仙腸関節のずれの調整が可能。
- 骨盤の形状を把握できる。
- 仙腸関節の固さをより把握しやすい。
最近では仙腸関節の重要性を唱え、骨盤調整を取り入れる施術家が増えてきました。しかしながら恥骨結合の重要性に関しては、あまり触れられてこなかったのです。仙腸関節と共に骨盤を構成する関節のひとつなのに、あまり注目されてこなかったのは不思議なことです。恥骨結合は仙腸関節のように上半身の重力を受ける役割はありませんので、それが影響したのかもしれません。しかしながら恥骨結合は当然ずれますし、ずれた状態で固まると、左右の仙腸関節にも悪影響を及ぼします。恥骨結合と仙腸関節は、相互に影響しあう存在なのです。私自身その重要性に気付いてからは、骨盤の左右差が一気に減少し、骨盤の完成度がアップしました。
恥骨結合の調整に関しては、デリケートな部分であり、他人が触りにくい所なので、直接触れない方法で調整します。またいくつかの運動を患者様にしていただくことで調整していきます。本ページの最後では、ご自宅でできる恥骨結合の調整のご紹介をしています。
骨盤調整の分類
骨盤調整を大まかに分類すると、フィードバック型とオープンループ型に分けられ、当院はフィードバック型です。それぞれの骨盤調整の特徴や違いについてご説明いたします。
- フィードバック型
- オープンループ型
フィードバック型骨盤調整
当院ではフィードバック型の骨盤調整を行っています。フィードバック型骨盤調整とは、出力を入力側に戻す方式の骨盤調整ことを意味します。わかりやすく言いますと、手足から伝わってくる微妙な変化を感じながら行う骨盤調整です。この微妙な変化というのは、具体的には骨盤の形状、関節の動き、関節の固さ、筋・靭帯の緊張具合などです。

骨盤調整により一つ一つの手技を施すと、患者さんの体から毎回反応が返ってきます。正しい方向に向かえば『OK』、間違った方向に向かえば『NG』のサインが返ってきます。『OK』の場合は、仙腸関節にスムーズな動きが出て、筋や靭帯が柔らかく感じられます。人体では正しい骨盤の形に近づくと、このような反応が現れるようになっています。『NG』の場合は、この真逆になります。
常に骨盤調整をしながら、同時に手の感覚により返ってくる反応をチェックしていますので、より精度を上げることが出来ます。施術家にとってこの反応が「方位磁針」の役割を果たしますので、とてもわかりやすいのです。これを繰り返すことで、骨盤の歪みを正しい形に戻していきます。
骨盤調整と効果確認はワンセット。効果確認が無いものは治療とは言えません。
オープンループ型骨盤調整
一方オープンループ型骨盤調整とは、出力を入力側に戻さず、一方的に入力を出す方式の骨盤調整ことを意味します。わかりやすく言いますと、手足による状態把握を伴わない骨盤調整です。いわゆる「やりっぱなし」の骨盤調整です。

このデメリットは、施術家が施した手技が本当に良い方向に向かったのかどうかが不明という点です。ある一方向への加圧は、仙腸関節が正規の位置に戻るまでは良い方向に向かいますが、行き過ぎてしまえばかえって骨盤を歪めてしまいます。おにぎりを同一方向にばかり握り続けたら、形がいびつになってしまうのに似ています。
骨盤の仙腸関節がずれて土台である骨盤が歪むと、それに伴い上に乗っている脊柱が歪んでしまいます。そうすると脊柱の周りの筋肉は緊張して固くなり、血液循環が悪くなります。その結果、腰痛、肩こり、首こり、膝痛、股関節痛などを発症し、全身に影響が及びます。これらの症状の大元の原因は、元をたどれば仙腸関節がずれて骨盤が歪んでしまったことにあります。
したがってどれだけ肩や腰などをマッサージをしたところで、一時的に楽になることはあっても、根本解決には至らないのです。骨盤調整によって骨盤の仙腸関節のずれが改善されると、それに伴い脊柱は真っ直ぐに近づいていきます。脊柱が整ってくると、自然と筋肉の緊張も和らいでいき、腰痛や肩こりなどの症状も改善していきます。もし、あなたが何かしらの治療を受けているにもかかわらず、今抱えている体の不調がいまいち改善していないのは、根本原因である骨盤にアプローチしていないからかもしれません。このような理由から、腰痛などの体の不調を治療する上で骨盤調整は必須であり、欠かせない手技なのです。
出産後の骨盤調整
出産では、あれ程の大きな赤ちゃんが通過するわけですから、当然骨盤には大きな負担がかかります。出産は骨盤を歪める大きな要因となり、腰痛をはじめさまざまな症状のきっかけになります。出産を経験した人の骨盤は、経験していない人の骨盤よりも歪みが大きい傾向があります。出産によって特に骨盤の下部が開くようになり、大転子(脚の付け根のポコっと出っ張った部分)がより外に出っ張るようになります。そして骨盤下部が開いて股関節が内旋すると、いわゆる出尻となって腰椎の前弯が強くなり、反り腰になってしまいます。反り腰になると、腰への負担が大きくなりますので、慢性的に腰痛を抱えることにつながります。
また出産を経て歪んでしまった骨盤への対策を怠ると、更年期を迎えたあたりからそのつけが回ってくることが多いです。女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、女性の体が大きく変化するこの時期を上手に乗り切るためにも、出産後の骨盤の歪みを骨盤調整により整えておくことはとても重要です。
- 出産後に腰痛、臀部痛、恥骨付近の痛み等が強くなった。
- 出産後に肩こりや首こり、背中の張りが強くなった。
- 体重が変わっていないのに、ズボンの横幅がきつくなった。
- スリムフィットジーンズをはくと、股間の下に隙間ができるようになった。
- 反り腰が強くなった気がする。
上記の項目に該当する数が多いほど、仙腸関節がずれて骨盤が歪んでいる可能性が高くなります。出産後に無理をされてきたお母さんの体は全身ガチガチに固まっていることが多く、子育てを無我夢中で頑張ってこられたんだと実感します。出産後は子育てに必死で自分のことは後回しになりがちです。しかしながら、子育てとご自身の健康管理を平行して行わないと、心と体が持たなくなります。お母さんが健康であることは、お子さまのためでもありますので、早めに骨盤調整を受けていただくことをお勧めします。
ご自宅でできる恥骨結合の調整
骨盤調整の中でも、ご自宅でできる恥骨結合の調整方法をご紹介いたします。 上下、左右、前後方向に分けて調整します。最後に恥骨と尾骨の距離を広げる調整をします。これをやるだけでもとても効果的ですので、毎日実施してみてください。
● 上下のずれ調整

上下方向の調整は、上記の矢印のように動かすことで行います。


- 仰向けに寝て両踵の内側同士を密着させます。
- 左かかとを2~3cm頭方向に上げます。
膝は伸ばしたまま行います。 - 逆に右かかとを2~3cm頭方向に上げます。
- 左右交互にリズミカルに10往復行います。
- 膝は曲げず、伸ばしたまま行います。
- 両踵の内側同士を密着させて、すりすりさせるイメージで行います。
- 左右で上がりにくい方を強めに行います。
- 恥骨結合に意識を集中して、上下方向のズレを整えるイメージを持って行って下さい。
- 恥骨結合に手を添えて、ちゃんと動いていることを確認しながら行ってください。
- 張り切って上げ過ぎない事。2~3cmぐらいが適切です。
● 左右のずれ調整

左右方向の調整は、上記の矢印のように動かすことで行います。つま先をワイパーのように動かすことから、この運動を「ワイパー」と名付けました。つま先を倒して力を入れることで、下肢から骨盤に力が伝わり、左右方向のずれを整えることができます。
※股関節亜脱臼もしくは股関節痛のある方は、ごく軽めに留めてください。もし痛みが出るようでしたら、この運動は飛ばしてください。


- 軽く足を開いて、仰向けに寝ます。
- 車のワイパーのように、つま先を左に倒して力を入れます。この時、左のお尻の下の部分(坐骨)から太ももにかけて床に押し付けるように力を入れます。このまま1秒間キープしましょう。
- つま先を逆に倒し、右側も同様に行います。
- 左右交互に5往復行います。
- 左右で行きにくい方向に強く力を入れてください。
- 恥骨結合に意識を集中して、左右方向のずれを整えるイメージを持って行って下さい。
- 左右方向のズレが大きいと、片側のお尻の下部(坐骨)が浮いてしまいます。浮いている側を床に押し付けるときに骨盤がジワーっとたわみますので、このたわみを感じ取ってください。骨盤の歪みが調整されてくると、このたわみは徐々に少なくなり、左右均等になっていきます。(下図参照)
- この運動は、恥骨結合の調整だけでなく、股関節のひねりの調整にもなります。

上の図は仙骨を基準として、右側寛骨の相対位置を図示したものです。右側寛骨が仙骨基準で矢印のように旋回すると、右坐骨は前方変位をします。そうすると床との隙間が大きくなり、右坐骨が浮いたように感じます。また右坐骨が前方変位すると、恥骨結合は左側寄りにシフトします。
右坐骨を床にグッと押し付けることで、右坐骨の前方変位が調整され、左右均等になっていきます。それに伴って、左側に寄っていた恥骨結合が中央に戻っていきます。
● 前後のずれ調整

前後方向の調整は、片方の恥骨を上記の赤矢印のように動かすことで調整します。

- 右足を一歩前に出します。
- 骨盤を前方に押し出し、重心を前に移動させます。この時、左の恥骨が後方に引っ張られるのを感じ取ってください。このまま3秒間キープします。
- 逆に左足を一歩前に出し、右の恥骨も同様に行います。
- 左右で固い方向に強く力を入れてください。
- 恥骨結合に意識を集中して、前後方向のずれを整えるイメージを持って行って下さい。
- 恥骨結合に手を添えて、動きを感じ取りながら行いましょう。
● 恥骨と尾骨間の距離を広げる

恥骨と尾骨の距離を広げる調整は、上記の矢印のように尾骨を後方に動かすことで行います。これまでに行ってきた調整により、恥骨と尾骨の距離が狭くなった分を元に戻します。

- 軽く足を広げて立ち、上半身を90度前に曲げます。
- ここから尾骨だけを後方に押し出すように力を入れます。
- 回数は、さっと1回で十分です。長くやるものではありません。
- 恥骨結合に手を添えて、動きを感じ取りながら行いましょう。
- 尾骨を後方に押し出す時、抵抗を感じて止まったポイントから、さらにひと押しします。この抵抗を感じないまま行うと、効き目が無くなってしまいます