椎間板ヘルニア

 名古屋市守山区を拠点とした出張専門骨盤調整治療院・整体院 ふるさわ指圧治療院です。

 現在では、膀胱直腸障害や足の麻痺や筋力低下の症状があるケースを除いて、椎間板ヘルニアの多くのケースが保存療法で回復しています。当院では、骨盤調整と骨格調整と指圧により柔軟性のある腰を作っていき、腰周りの血液循環をを改善し、マクロファージの働きを向上させることで、椎間板ヘルニアの早期の自然退縮を目指していきます。

目次

椎間板ヘルニアの治療


 椎間板ヘルニアになってしまったということは、繊維輪に亀裂が入ってしまい、そこから髄核が漏れ出てしまったといことです。さらにその亀裂というのは残念ながら塞がることはなく、開いたままとなっています。残念なことにこの亀裂が開いたままというのがとても厄介で、椎間板ヘルニアの再発のリスクを高めてしまっています。だからといって、ずっと安静にしていればいいわけではありません。少しづつ動いていかないと腰周りは柔軟性を失って固まってしまい、腰部の血流が悪化して、椎間板の変性がさらに進んでしまいます。絶対安静期間は最初の2~3日程度で、それ以降は徐々に炎症が収まっていきますので、日常生活動作を再開し、保存療法の治療を開始していきましょう。

 当院の椎間板ヘルニアの治療としましては、骨盤調整骨格調整指圧を行います。骨盤調整により骨盤の歪みが解消され、骨格調整により骨盤の上に乗っている背骨は徐々に真っすぐに近づいていきます。さらに指圧により腰椎周りの筋肉の緊張が緩和し、血液循環が良くなります。その結果、血流に乗ったマクロファージがヘルニアを発見し、食べてくれる確率が上がりますので、椎間板の自然退縮が期待できます。無治療であっても、症状は徐々に引いていくかもしれませんが、やはり回復までの期間はズルズルと長引いてしまうかもしれません。なぜなら無治療なので、腰周りは固いままなので、血液循環が悪く、マクロファージの働きを十分に引き出せていないため、ヘルニアの自然退縮が遅れるからです。腰には適度な弾力があるのが理想的な状態であり、そのような理想的な腰をキープできていれば、椎間板の変性を最小限に留めることができます。椎間板ヘルニアの症状が落ち着いた後も、骨盤調整によって弾力のある腰をキープし、椎間板の変性をできる限り抑えて、椎間板ヘルニアの再発を防ぎましょう。

椎間板ヘルニアの特徴

椎間板とは?

椎間板ヘルニアによる神経圧迫
椎間板ヘルニアによる神経圧迫

 椎間板とは、背骨と背骨の間(椎体間)に挟まれたクッションの役割をするものであり、中心部分に水分が豊富な髄核があり、周りを線維輪が囲んでいます。椎間板は20代から変性が始まり、保水性のあるプロテオグリカンが減少して髄核の水分量が減少したり、潰れて薄くなったり、線維輪の弾力性が低下して亀裂が入りやすくなってしまいます。

 椎間板内部には血管がありません。血液が流れていないということは、他の組織と比較して老化の進行が速く、椎間板は損傷しても修復されにくいことを意味しています。椎間板への栄養供給は、椎体の上下端にある1mmほどの厚さの軟骨終板を介して、椎体内部の毛細血管から行われますので、血流が悪ければ椎間板に栄養が行き届かなくなってしまいます。さらに椎間板の変性が進行すると、外層の繊維輪に亀裂が入り、そこから最外層にしかなかった神経が内部に伸びていき、血管新生により血管が内部へと伸びていきます。血管の無い所では炎症は起きませんが、椎間板内部まで血管が伸びると、椎間板が損傷した部位で炎症が起こります。この状態を椎間板変性症と言い、やがて椎間板ヘルニアへと移行する可能性があります。

正常な椎間板と変性した椎間板
正常な椎間板と変性した椎間板

椎間板ヘルニアとは?

 椎間板ヘルニアとは、線維輪に亀裂が入り、髄核というゼリー状の組織が線維輪を後方に押して膨隆させたり、線維輪を突き破って馬尾神経や神経根を圧迫して痛みやしびれを感じる疾患です。馬尾神経とは脊髄の終わり部分(腰椎1~2番の高さ)から延びている神経線維の束で、馬の尻尾に似ていることから名付けられました。神経根は、その馬尾神経から左右に分岐する部分を指します。 

 椎間板ヘルニアがある人の中でも、痛みが現れる人はごく一部です。また症状の出方は脊柱管のスペースによっても変わります。脊柱管のスペースに余裕がある場合は、ヘルニアが神経に向かっていったとしてもスルリとよけてくれますが、脊柱管狭窄症を併発して脊柱管のスペースが窮屈になっている場合は、ヘルニアをよけきれず神経が圧迫されてしまいます。 

  • 年齢層としては、比較的若い世代(20~40歳代)に好発します。
  • 性別としては、男性に多いです。
  • 発症部位としては、L4-5とL5-S椎間板に好発し、比較的下部腰椎に起こりやすいです。
  • 発生頻度としては神経根障害が多く、馬尾障害は少ないです。
  • 多くのケースでは保存療法で改善すると言われています。

椎間板ヘルニアの原因

 椎間板ヘルニアになるきっかけとして、重い物を持ったり、強くひねったりというのがあります。一方で特に腰に強い力がかかったわけでもなく、何げない日常動作をしただけでも発症してしまうケースもあります。前者は、ある程度椎間板に変性が進んでいて、そこに大きめの負荷が加わって発症してしまったと考えられます。こちらの場合は、大きめの負荷がかからなかったら、椎間板ヘルニアは防止できたかもしれません。後者は、歳を重ねるごとに椎間板の変性が徐々に進んでいき、すでに椎間板ヘルニアになるべく条件が全て揃っていて、あとは線維輪に亀裂が入るきっかけ待ちであったと言えます。そのため、早かれ遅かれ近い将来椎間板ヘルニアになっていたと推測されます。椎間板ヘルニアの原因である椎間板の変性の進行具合は、人によりまちまちであり、煙草や遺伝的要因、職業的に常に腰に負担がかかっている等、さまざまな要因が絡み合っています。

椎間板ヘルニアの主な症状

 主な症状は、腰痛に始まり臀部や下肢の放散痛(坐骨神経痛)、感覚障害、足に力が入らない等があります。椎間板ヘルニア=腰痛というふうに思われがちですが、腰痛よりも臀部や下肢の症状の方が強く現れます。坐骨神経は脛骨神経と総腓骨神経が束となった神経であり、腰椎と仙骨(L4~S3)から出て、臀部から太もも裏を走行します。膝上で分かれ、下腿の表裏を走行します。前屈動作で悪化し、前屈の可動域が狭くなります。運動すると悪化し、安静にすると軽快しますが、安静時にも痛むことがあります。立っているときより座っているときの方が痛みが出やすい傾向があり、長時間じっと座っていることが困難になります。 

坐骨神経
坐骨神経

症状が進行し、馬尾神経の圧迫が強くなって、膀胱直腸障害や会陰部の異常感覚(脱力感、しびれ、灼熱感、ほてり)、下肢に重篤な麻痺症状が現れた場合は緊急を要しますので、外科手術を検討しなけれなりません。

髄核脱出パターン

椎間板ヘルニア 髄核脱出パターン
椎間板ヘルニア 髄核脱出パターン
  1. 髄核膨隆:繊維輪の断裂なし。
  2. 髄核突出:繊維輪が部分断裂する。
  3. 髄核脱出(後縦靭帯下まで):繊維輪が完全断裂し外に飛び出す。
  4. 髄核脱出(後縦靭帯突破):繊維輪が完全断裂し後縦靭帯も突破し、馬尾神経に直接触れる。

 髄核が後縦靭帯を突き破っている場合、マクロファージが異物と判断して食べてくれるため、自然吸収すると言われています。ヘルニアの症状がある人のうち、60%以上の人が2~3ヶ月以内に大きく自然吸収されるという報告があります。一般的に髄核が後縦靭帯を突き破らない膨隆型の場合は、突き破っている場合と比較して自然吸収が遅く、症状が長期化する傾向があると言われています。これは膨隆したヘルニアが血流と接触することがないために、マクロファージが誘導されないことによります。

マクロファージ
マクロファージ
マクロファージとは?

 マクロファージとは白血球の一種であり、細菌や腫瘍細胞、異物などを貪食する役割があり、体内のお掃除をしてくれています。人間が生まれながらに持っている自然免疫のひとつとして機能し、非自己(自分のものではない)と認識した物に対して、無差別に攻撃します。

椎間板ヘルニア Q & A

椎間板ヘルニアになってしまったら、まずはどうしたらいいですか?

上記の椎間板ヘルニアと症状が似ている場合は、まずは整形外科を受診してください。椎間板ヘルニアと診断を受けたら、2~3日は絶対安静としてください。活発に動くとさらにヘルニアが飛び出してきますので、固まるまでは絶対安静としてください。そのうちにだんだんと動けるようになってきますので、少しづつ日常生活に戻っていってください。2~3日経って寝返りができるようになって施術を受けられる状態になりましたら、当院までご連絡ください。もし似たような症状で、仙腸関節由来の症状と思われる場合は、絶対安静期間を設ける必要はないので、当院まですぐにご連絡ください。

椎間板ヘルニアが治るまでの期間はどれくらいですか?

症状が収まるまでに、早ければ3ヶ月、遅ければ1年以上かかるケースもあります。ヘルニアが完全に脱出していたり、遊離していたりした方が症状が強く出ますが、治癒にかかる期間は短くすみます。逆に膨隆型のような少し膨らんだぐらいの軽いケースの場合の方が、長期化するケースが多いです。なぜなら、ヘルニアが脱出していたり、遊離していたりした方が、マクロファージと接する機会が増えるので、マクロファージが異物と認識して食べてくれるため、自然退縮が期待できるからです。またヘルニアは最初に一気に大量に出た方が、自然退縮の期間が短くすみますが、少量ずつ何回にも分けて飛び出る場合は、自然退縮にかかる期間は長期化する傾向があります。

施術内容を教えてください

当院では、まずは足首周りを整えて柔らかくします。これがとても重要で、これをないがしろにすると、その他の全身の治療が効かなくなってしまいます。そして骨盤調整によって骨盤の歪みを整えていきます。さらに指圧や骨格調整により、徐々に弾力のある腰にしていき、腰周りの血流を良くして、マクロファージによる貪食を促します。またセルフケアにて、神経根に癒着したヘルニアと神経根の間の滑走性を改善し、痛みを和らげていきます。

施術頻度はどのくらいがいいですか?

週1~2回が目安です。

椎間板ヘルニアになったら気を付けることは何ですか?

・椅子に座る時は、深く腰掛け、おへそを前に出すようにして姿勢正しく座ってください。腰を丸くして座ると、髄核を後方に移動させる力が働くため、再発しやすくなります。ソファーは、どうしても腰が丸まってしまうため、お勧めできません。脚を伸ばした前屈ストレッチも同様の理由でNGです。
・当面の間は腰を強くひねったり激しいスポーツは避け、ウォーキングや腰回しなど軽めの運動程度に留めておきましょう。
・煙草は、研究の結果、椎間板の変性が進行することが報告されています。当院から煙草をやめましょうとは言いませんが、やめた方が椎間板には優しいでしょう。
仕事等で中腰になるなど腰に負担がかかる動作が続く場合は、時々休んで腰のリカバリーをすることが重要です。

整形外科の保存療法と当院の保存療法との違いは何ですか?またどちらを選択したらよいですか?

基本的に整形外科での保存療法は、痛み止めの薬を飲みつつ、ヘルニアが退縮するのを待つということになるでしょう。その他にはストレッチやマッサージなどを取り入れて、症状の回復を目指していくのが一般的でしょう。

一方で当院では、骨盤調整・骨格調整・指圧・頭蓋骨調整という手技を使って治療をしていきます。なかでも骨盤調整というのは一番のメインになる手技であり、絶対に欠かせない手技です。

どちらを選択したらよいかに関しては、あまりにも痛みが強い場合は、痛み止めの薬に頼るのもありでしょう。ただし痛み止めの薬にばかり頼っていても、物理的には何も変わっていきませんので、骨盤調整等によって弾力のある腰づくりをして、ヘルニアの自然退縮を促すのが良いと思います。

線維輪にできた亀裂は塞がりますか?

残念ながら、繊維輪にできた亀裂は塞がらず開いたままとなってしまいます。そのため、内部に髄核が残っている限り、再発の可能性はあると言えます。ただし高齢になってくると、髄核の水分量が減少するため、流動性が低下していきますので、繊維輪の亀裂が塞がっていなくても、ヘルニア自体は飛び出しにくくなっていきます。

椎間板ヘルニアは再発しますか?

椎間板の内部に柔らかい髄核が一定量残っていれば、繊維輪は一旦亀裂が入ると塞がりませんので、再発する可能性はあります。たたし、歳を重ねて髄核の水分量が減少したり、髄核の残量自体が減ってしまった場合は、再発のリスクは低下するでしょう。しかしながら、髄核の残量が減ったことにより再発のリスクが減って、あー良かったとも一概に言えず、椎間板のクッションとしての機能が失われたり、脊柱管狭窄症との合併症の可能性も出てきますので、髄核の残量は多いに越したことはないでしょう。

椎間板は再生しますか?

椎間板は再生しません。椎間板は一方通行で徐々に劣化をしていきます。また潰れてしまった椎間板は、元の厚みを取り戻すことはできません。椎間板は消耗品であると認識しましょう。

煙草はヘルニアの原因になりますか?

はい。煙草を吸うことで交感神経が優位となり、腰周りの血管を収縮させます。それにより椎間板への酸素や栄養分の供給が減少するため、椎間板の変性が進んで線維輪に亀裂が入りやすくなり、ヘルニアの原因となります。

MRIの画像を見ると、ヘルニアが脱出していて、馬尾神経を圧迫しているように見えるのですが、症状が出ない人がいるのはなぜですか?

ヘルニアが馬尾神経を圧迫して痛みや痺れを引き起こすのは、そのヘルニアが飛び出したてホヤホヤである場合です。その新しいヘルニアには神経に炎症を引き起こす物質を含んでいます。長期に渡って痛みや痺れが継続しているということは、新しいヘルニアが継続して漏れ出ていることを示しています。もしMRIの画像にヘルニアが見られるけど、症状が出ていないという場合は、それは古い昔に飛び出たヘルニアであると推測されます。痛みが出ていないのでしたら、特に気にすることはないでしょう。

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