名古屋市守山区を拠点とした出張専門骨盤調整治療院・整体院 ふるさわ指圧治療院です。
腰痛治療で一番重要なのは、骨盤調整によって仙腸関節のズレを整えることであり、絶対に省略することはできません。腰痛になる疾患はたくさんありますが、今回は筋筋膜性腰痛、椎間関節性腰痛、ぎっくり腰について解説します。そして最後にご自宅でできる腰回し運動のご紹介をいたします。
筋筋膜性腰痛の特徴
筋筋膜性腰痛とは?

筋筋膜性腰痛とは、文字どおり筋肉や筋膜に原因がある腰痛です。筋膜とは筋肉を包む外側の丈夫な膜です。重い物を持ち上げたり、ちょっとした体勢変換時に急性的に発症する腰痛は「ぎっくり腰」と言われています。ぎっくり腰になってから数日間安静にしていて多少痛みは引いたものの治りきらず、弱火状態で痛みが継続し慢性化することもあります。
レントゲンやMRIで異常はみられないことから、骨や椎間板、神経の異常は無く、椎間板ヘルニア、すべり症などと比較すると腰痛の改善に要する期間は短いです。
筋筋膜性腰痛の原因

筋筋膜性腰痛は、元を辿れば仙腸関節がズレて、骨盤や腰椎が歪むことが原因です。この骨格の歪みは人体にとって不都合なことであり、なんとかこれ以上歪みが進行しないように筋肉や靭帯を固めて守ろうとします。こうしてできた筋肉の凝りが筋筋膜性腰痛につながるのです。このような骨格の歪みの進行を食い止めるための現象は、腰部に留まらず全身に起こります。首で起これば首コリに、肩で起これば肩コリにつながります。

こうしてできた筋肉の凝りに対して指圧をすれば一時的に柔らかくなって少しは楽になるでしょう。しかしながら腰椎の歪みが残っている限り筋肉を固めて守る必要があり、すぐに元に戻ってしまいます。そういった理由から筋筋膜性腰痛を根本から改善するには、筋肉へのアプローチよりも骨格へのアプローチの方が重要であり、骨盤調整は必須です。
筋筋膜性腰痛の症状
筋筋膜性腰痛の症状としては、比較的腰の広い範囲で重だるさがあるのが特徴です。腰をひねったり前屈などの動作時痛があり、可動域が狭くなります。また重い物を持ち上げたり、前屈みになったりして、急性的に発症した場合は、損傷した筋肉や筋膜の部位を中心に痛みが出ます。
筋筋膜性腰痛の治療
筋筋膜性腰痛の治療は、骨盤調整、骨格調整、指圧により行います。特に骨盤調整によって、仙腸関節のズレを整えることを重要視しています。仙腸関節のズレを整え、骨盤の歪みが改善されると、骨盤の上に乗っている脊柱の歪みも改善されます。さらに骨格調整により全身の関節のズレを整え、指圧により筋肉の緊張を緩和し、筋肉の不均衡を改善します。また背骨の椎間関節(背骨の後方にある左右一対の関節)の癒着を取り除き、本来の滑らかな関節の動きを取り戻すことも重要です。
激しい筋筋膜性腰痛があるうちは、腰を曲げるストレッチは控えましょう。損傷している筋肉や筋膜を傷めてしまい逆効果になってしまいます。
椎間関節性腰痛とは?


椎間関節性腰痛とは、腰椎の椎間関節が原因となって発症する腰痛です。椎間関節とは、背骨の後方に左右一対づつあって、背骨の旋回や前後左右の動きを制限したり、上半身の重さの一部を支える役割があります。また椎間関節は、下関節突起(内側)と一つ下の上関節突起(外側)の組み合わせによる関節であり、屋根瓦のように積み重なって背骨を連結しています。

椎間関節性腰痛の原因
椎間関節性腰痛は、後屈などの運動で関節包が無理に引き伸ばされたり、接触面に圧縮力がかかって炎症が起こることで発症します。また普段から運動不足になると、椎間関節の動きが減少し癒着しやすくなります。癒着した状態で急な運動をした際に癒着を無理にはがす力が働き、炎症を起こしてしまいます。
若い世代では、スポーツなどで腰を反るような体勢をきっかけとして、関節包の上部が引き伸ばされて損傷したり、接触面にストレスがかかって炎症が起こり、急性的に腰痛を発症します。


それに対し高齢者では、加齢とともに徐々に進行していきます。高齢になると椎間板や椎体(背骨)が次第に潰れて、厚みが薄くなっていきます。そうすると今まで正常にかみ合っていた椎間関節のかみ合いに狂いが生じます。そして上半身の重量を主に前方の椎体で受けていたのが、次第に後方の椎間関節にかかる割合が増加していきます。それにより接触面のストレスが増大し、軟骨の摩耗、上・下関節突起の変形(膨隆、骨棘の形成、骨硬化)などの変化が現れます。その結果、接触面のかみ合いが狂い、動きが悪くなって可動域が減少し、周辺の筋や関節包、靭帯などは常に緊張するようになり、慢性的な腰痛となって現れます。
椎間関節性腰痛の症状

椎間関節性腰痛の痛みの発生部位としては、障害の発生した椎間関節の近くの片側に局所的に現れるのが特徴であり、痛い部分をピンポイントで指すことができます。椎間関節の位置は、腰の高さでセンターから片側約2cmです。椎間関節性腰痛は比較的下部腰椎に好発します。また炎症が神経根まで波及すれば、臀部や下肢痛を引き起こします。なぜなら腰椎から出ている神経(坐骨神経)は臀部や下肢につながっているからです。腰の痛みは後屈や旋回で増強し、前屈で軽減します。 また長時間の立位で症状が悪化します。
椎間関節性腰痛の治療
当院での椎間関節性腰痛の治療は、骨盤調整を中心とし、その他に骨格調整と指圧を行います。骨盤調整によって、土台である骨盤の仙腸関節のズレを整え、骨格調整により背骨の歪みを整え、指圧により筋肉の緊張をほぐします。椎間関節性腰痛の治療のポイントとしては、固まって動きの悪くなった椎間関節の癒着を取り除き、本来のスムーズな関節の動きを取り戻すことが重要です。これによって、一つ一つの椎間関節がバラバラに動けるようになりますので、関節の可動域が拡大します。関節の可動域が拡大すると、上半身の前屈、後屈、側屈や捻転動作の抵抗感が減少し、軽く動けるようになります。
激しい椎間関節性腰痛があるうちは、体を反る動作はなるべく控えましょう。椎間関節が衝突し、痛みが増してしまいます。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは、急な運動で腰の筋肉や筋膜、椎間関節、仙腸関節などがダメージを受けて、急性的に発症する腰痛の俗称です。医学的には「急性腰痛症」といいます。仙腸関節がロックした状態で急な動作をした時に、上記の各部分に無理な負荷がかかって、炎症を起こして発症します。画像検査で骨や神経根圧迫などの異常はみられません。
- 腰を丸めた状態で重いものを持ち上げたとき
- あぐらをかいていて、前方の物を取ろうとして手を伸ばしたとき
- くしゃみをしたとき
- 前かがみの状態から後ろにひねったとき
- 靴下を履いたとき
など急激な負荷がかかったり、ふいに体勢を変えた時に発症します。

ぎっくり腰の原因
仙腸関節の緩衝機能がぎっくり腰を予防
仙腸関節には緩衝機能があり、例えるならば「ドアクローザー」に似ています。ドアクローザーは、ドアを閉める際に急に閉まらないようにする機能があります。このおかげで静かにゆっくりとドアが閉まります。 仙腸関節も同様で、全身動作をする際に停止時に少しだけ柔軟に動いてくれることでエネルギーを吸収し、筋や筋膜がダメージを受けないように保護してくれています。

正常な仙腸関節は緩衝材の役目を果たし、急な運動停止時でジワーっと動いてエネルギーを吸収してくれます。さらに筋肉に柔軟性があるため、急な運動に対し柔軟に伸縮できて筋肉や筋膜はダメージを受けず、ぎっくり腰を回避できます。

仙腸関節の緩衝機能低下により筋肉や筋膜が損傷
仙腸関節がズレてロックすると動きが悪くなり、全身の骨格の歪みにつながり、筋肉を緊張させ柔軟性を失ってしまいます。そのような状態で急激な運動をすると、筋は柔軟に伸縮出来ません。また急に動作をストップした時にエネルギーを吸収できず、ガツンとダイレクトに衝撃が加わり、ブチッと腰の筋肉や筋膜がダメージを受けて炎症を起こし、ぎっくり腰になります。新しい輪ゴムはよく伸びますが、古い輪ゴムは柔軟性を失い容易に切れてしまうのに似ています。

仙腸関節が炎症を起こす
また仙腸関節がロックして、固まっている状態で無理にはがすような力が加わると、仙腸関節炎となり、仙腸関節付近が強く痛みます。激しくなくても、ごく軽い日常作業でも起こります。治りきっていない「かさぶた」を強引にはがすと出血するのに似ています。

また仙腸関節は前かがみ姿勢で緩み、反る姿勢で締まるので(イラスト参照)、前かがみではズレやすく、重い物を持ち上げるとズレて炎症を起こしてしまいます。そして患部は熱をもち、強烈な動作時痛を発します。仙腸関節炎になると長時間座れなくなったり、臀部、鼠径部、太もも、ふくらはぎなどにも痛みが生じるのが特徴です。私が以前ぎっくり腰になったときは炎症が全身に及んで熱をもち、風邪をひいたように節々が痛みました。

ぎっくり腰の治療
ぎっくり腰になってしまったら、早めに骨盤調整による治療を受けていただくことをお勧めします。治療の頻度としては、痛みが引くまでは週2回が目安です。ぎっくり腰を何度も繰り返している方や体全体が固い方は、それ以上の治療頻度が必要となる時もあります。
ぎっくり腰は患部が炎症を起こしているので、炎症が収まるまで痛みは続きます。炎症の特徴として一旦起きてしまった炎症は、すぐには収まりません。骨盤調整による治療を受けて2~3日後から徐々に痛みが引いていくことが多く、たいていは5回以内で痛みが軽快していくことが多いです。
ご自宅でできる腰回し運動のやり方
ぎっくり腰になったら安静第一ですが、寝てばかりでは回復が遅れてしまいます。長時間じっとして固めてしまうと、再び動き出す時に痛みが増してしまいます。長時間イスに座って固めてしまうと、強烈な痛みで立ち上がれなくなります。電車移動の際は、短時間でしたら立ちっぱなしの方がむしろ腰への負担は少ないです。なるべく固めないように、少々痛みが出る範囲内でこまめに動かすことが大切です。1時間に1回程度「腰回し運動」をすることをお勧めします。 腰回し運動により仙腸関節のズレまでは改善できないものの、固まって癒着してしまった仙腸関節をほぐす効果と腰椎の可動性や柔軟性を高める効果が期待できます。腰回し運動は、あらゆる腰痛疾患に共通して基本となるセルフケアです。
腰回し運動の注意点として、腰を回す時に頭や肩が大きくブレてしまうと、腰を大きく回しているようにみえて、実際には腰部があまり回っていないという事がよくあります。下記のように正しいフォームをマスターして、腰部にしっかりと効かせるように行いましょう。

- 足を肩幅ぐらいに開きます。
- 骨盤に両手を当てます。
- 骨盤をフラフープを回すように、円を描きながら小さく回します。慣れてきたら徐々に大きな円にしましょう。
- 20回ごとに左右交代で行います。
✔ 自分の身体に1本の軸を作り、それを中心に回します。
✔ 上体をなるべく動かさずに骨盤だけを回すようにします。
✔ 両肩は水平を保ちます。
✔ 背筋を伸ばして真っ直ぐ前を向きます。
✔ 膝は曲げずに伸ばす。膝を曲げると膝の運動になってしまい、腰に効かせることができません。